2011年5月31日火曜日

VPM 2章 pp.8-pp.10

アップするのを忘れていました.

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Visualizing the project environment
プロジェクト環境を"見える化"する

===(嶋津恵子コメント)=====
わたくし個人としては,
”見える化”という用語は,好きでは無く,認めておりません.
タイトルにつかった理由は,ただひとつ.
・・・・・ウケ狙い・・・・です.
===(嶋津恵子コメントここまで)=====

=====(囲み)======
山火事などの大規模災害への効果的な対応(solution)をみると,システム思考の実用力の高さがよくわかります.何十年もの間,山火事防止に対する常識的な見解は,家事を起こさせない方法をやり尽くすことでした.この対策案は,大量の乾いた木をそのまま野ざらしにすることになり,いったん何らかの原因で引火すると手のつけようのない大規模な災害がなっていました。この経験から,関連するあらゆる可能性を考慮に入れて,最適な方法を検討した結果,予防的に小規模な計画火災を起こす解決策が生まれたわけです。疫病対策や洪水対策なども問題も、同様の考え方で解決されてきました。
=====(囲みここまで)======

問題の発生原因をしっかり突き詰めておかないと、症状の改善しかできず,根本原因を取り去ることができません。システム思考を用いて対策を考えないと,その場しのぎの対応になります。思考を視覚的なモデルを使って整理するシステム思考は、一つ一つの症状にたいする対応ではなく,創造的方策を思い付くように,我々の思考を導いてくれます。この創造的な方策は,症状対策ではなく,包括的に問題を解決することにつながるはずです.

複雑なシステムを開発するプロジェクトでは,システムエンジニアは,関連するあらゆる可能性を考慮に入れて物事を判断する責任を負います.この中には,顧客目線で,問題をとらえ,それに対する効果的な対応を検討することも入ります.ただし,システム思考導入の効果を最大にするためには,システムエンジニアだけでなく,プロジェクトチーム全員が視点を一段階上に引き上げ,関連するあらゆる可能性を考慮しながら対策を検討する必要があります。

システム思考には、critical thinking, solutions thinking, 未来思考、長期思考,それにハイレベル思考が含まれます。システム思考は,戦術指向や部分指向のような分析的な思考ではありません。

システム思考を学ぶ研修では,冒頭で、講習会そのものを一つのシステムとしてとらえ,その要素を挙げることを行います。最初の回答としては、講師や参加者など動作を行う人たち、机や教材などの用具、そして研修参加者の相互の影響などが挙がります。さらに研究会会場に持ってきたすべてのものを挙げるにように求めると,環境的なものも含め,ブレインストーミング作業を通し,図2.2にあるようなあらゆる可能性を考慮に入れた結果を提示することになります.

システム思考のフレームワークや視点を習得しておくと、モデルを使って,問題対象を,関連するあらゆる可能性を考慮に入れた視覚的イメージとしてとらえることができるようになります.システム思考はプロジェクトマネジメントやシステムエンジニアリングの仕事にあたる場合,欠かせないものです。この章では、システム思考を使って,システムを実現することで解決しようとしている環境のモデル化や可視化を行います。この方法で、システムエンジニアリングのある特定のエリアを詳細に渡って確認していきます。システムエンジニアリングにおけるあらゆる判断は,このエリアで行われます.trade-offエリアもしくはtrade spaceと呼ばれています。

プロジェクトは,必ず製品やサービスという成果物を生みます.さらに,問題解決そのものである場合もあります。これらすべてをシステムソリューションと呼んでいます。そこで,システム思考では、システムとプロジェクトソリューションは同義語として扱います。

次の節では,ソリューションが想発される場の条件を次の3点で述べることにします.
l  Trade space
l  モデル、フレームワーク、レッスンズラーンド(教訓)、ベストプラクティス、
l  プロジェクトのステークホルダー 

この後に続く節では、思考の視点をさらにぐっと上に引き上げ、より多くの関連するあらゆる可能性を考慮に入れた状態で,プロジェクトを論じます.チャンスとリスクとそしてそれらの取り扱いによって最終的な結末がどうなるかについて言及するわけです.これらは,プロジェクトを単に成功させるための方策を超え,その後のさらなる発展に繋がるような高実績を作るものになります.

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